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キックオフが2時間から30分に短縮。オンボーディングの長期化を防ぐ仕組みが完成

エス・エー・エス株式会社
カスタマーサクセス領域

業種勤怠管理SaaSの提供
従業員数166人(2023年11月現在)
課題オンボーディングの長期化/属人化


エス・エー・エス株式会社は「すべては笑顔のために」を使命に掲げ、顧客目線のシステムソリューションやバックオフィス支援のクラウドサービスなど、ITを基盤とした事業を展開しています。

今回、お話を伺ったのは、同社クラウドサービス部の皆さまです。ご対応いただいた皆さまの主な業務は、勤怠管理システム「勤労の獅子」をはじめとするクラウドサービスの導入支援、およびカスタマーサクセスです。

同部では、サービスの導入から使い続けていただくために「案件の長期化」「部署内でのサービスレベルの違い」「導入支援業務の煩雑化」が課題でした。そこで、課題を解決すべく、TimeSkipへの依頼を決めたとのことです。

TimeSkipのサービスを利用したことで、同部ではどのような変化が見られたのでしょうか。同部部長 加々本様、Gr長 髙木様、同部Gr 花澤様・杉本様にお聞きしました。

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人事労務業務の負担を軽減するためのクラウドサービスを提供

貴社の事業とクラウドサービス部について教えてください。

加々本さん
私たちクラウドサービス部では、「すべての人が笑顔で働ける世の中をIT×コンサルティングで創造する」を使命に掲げています。企業の「働き方改革」実現に向けて、勤怠管理システム「勤労の獅子」をはじめ人事労務業務の負担軽減に貢献できるクラウドサービスを提供しています。


「勤労の獅子」サービスページより

創業時は取引先に常駐し、システムの要件定義から開発・運用までを総合的に担うSI(システム・インテグレーション)事業を行っていました。現在は、SI事業に加え、自社サービスを開発しクラウド事業を展開しています。

社内には、SI事業を通して育ててきたエンジニアや積み重ねてきた技術が多く存在します。彼らの力を活かして開発・運用を進められるのは大きな強みです。

クラウド事業部 副事業部長 加々本氏

「勤労の獅子」の導入支援業務において複数の課題を抱えていた

TimeSkipの支援を受ける前の状況と課題を教えてください。

髙木さん
「勤労の獅子」の導入支援において、「案件の長期化」「部署内でのサービスレベルの違い」「導入支援業務の煩雑化」の課題を抱えていました。

まず「案件の長期化」についてですが、我々が提供しているのはSaaSのため、契約をいただいてからが始まりです。成約後、利用開始までの期間をいかに短くできるかがミッションの1つなのですが、長期化してしまうことがしばしば起こっていました。

長期化の理由に、お客さまが「ボール」を持ち続けてしまうことが挙げられます。例えば、お客さまへ初期設定に必要な情報をシートに記入して提出をお願いしているのですが、回答までに時間がかかることがありました。しかし、回答が来ない問題に対して、私たちは効果的な対策を打てていませんでした。

コンサルティンググループ グループ長 高木氏

次に「部署内でのサービスレベルの違い」ですが、「新規導入業務の流れが標準化されていない」「顧客のオンボーディングに関するマニュアルがない」などの理由で、担当者が各々のやり方で作業を進めていました。

マニュアルがない点は、「導入支援業務の煩雑化」にも繋がっていたと思います。

このため、導入時のお客さまへのレクチャーで話す内容も、担当者によってばらつきがありました。サービスの成約から利用開始までの期間が長期化することにも繋がり、結果として売上にも影響が出ている状況でした。

このような状況にもかかわらず、部内では、SI事業を行っていた時の「納品して検収したら完了」の考え方が根強く残っていました。


「CRP」を整理できたことでオンボーディング時のルールが定まった

TimeSkipから受けた支援のうち、特によかったと思うものはなんですか?

髙木さん
業務の属人化について指摘をもらえたのも大きかったです。SI事業の名残で「お客さまの要求には即対応する」「請負事業なので自分たちが全部こなさなくてはならない」など、担当者1人で全ての業務を進めるべきとの意識が強かったと思います。今回の支援で指摘されたことで、必ずしも担当者のみで業務を進めなくても良い、お客様側にやっていただくこともアリなのだと認識を改めることができました。

加々本さん
設定シートの改善やスタートダッシュマニュアルの作成、部内の現状分析から新たに「CRP (カスタマー・リレーショナル・プロセス)」を構築してもらったことで、自分たちだけでは実現できなかったオンボーディング時のルールが定まりました。


TimeSkipの支援をきっかけに組織の課題解決に向けて行動

「CRP」の効果は出ていますか?

花澤さん
運用を始めたばかりなので、定量的な効果検証には至っておりません。ただし、すでにお客さまとの初回打ち合わせに約2時間をかけていたのが、30分程度に短縮できました。お客さまへの伝達事項がマニュアル化されたことで、円滑に打ち合わせを進められるようになりました。これから「CRP」を新しいお客さまで活用するのがとても楽しみです。

設定シートの改善について詳しく教えてください。

花澤さん
顧客目線で設定シートを作成しているため、利用しやすく徐々に定着しつつあると感じています。今回のプロジェクトをきっかけにクラウド上でお客さまと設定シートを共有することもはじめました。双方で記入状況を確認できることから、「見られているかもしれない」との意識が働くようになりました。お客さまとしては提出日、私たちとしてはリマインドのタイミングにも気を付けるようになりました。

コンサルティンググループ 花澤氏

他に実感している効果はありますか?

髙木さん
お客さま自身に作業を進めてもらうためには何が必要なのかを考えるようになりました。先にも述べましたが、以前はお客さまに対して「1から10まで説明しなくてはならない」「全ての作業をやらなくてはいけない」とのスタンスでした。今は、スタートダッシュマニュアルをベースにできる限りお客さまで進めてもらう仕組みができました。実際、導入までの作業にかかる時間も短縮されています。

加々本さん
導入プロセスの標準化やオンボーディングの定義を見直すことで、サービス全体に関わる新たな課題も見えてきました。例えば課金条件に関して、今までは全ての導入プロセスが終了してから課金発生という流れでした。この課金を導入プロセスの早い段階で利用を始めてもらうことで、収益性向上やオンボーディング完了率も上がるだろうと考えています。

TimeSkipの支援を受けた感想をお聞かせください。

花澤さん
弊社の強みと弱みを把握したうえで、改善案を提案してもらえたのが良かったです。私たちが作った設定シートやマニュアルに対して、客観的な視点で意見や提案をしてもらいました。結果、シートもマニュアルも良いツールになりました。

杉本さん
TimeSkipさんが持つノウハウを活かして、弊社のサービスに合わせた納得感のある提案をしてもらえて助かりました。社内だけでは「できない理由」ばかりを考えてしまい、一歩を踏み出せなかったと思います。支援をきっかけに、チームの課題解決に向けて行動することができました。

コンサルティンググループ 杉本氏

勤怠管理だけでなく「HR」の課題解決にも貢献できる組織でありたい

今後の展望についてお聞かせください。

加々本さん
「勤怠管理」に留まらず「HR」のスペシャリストになることです。今後は勤怠管理以外にも領域を広げ、HR領域の課題解決にも貢献できる組織を作りたいと考えています。目標達成に向けて、まずはTimeSkipさんの支援で作り上げた改善案を定着させ、成果を出していきたいです。今後ともご支援お願いいたします。

(取材・文/ 稲田 美紀 撮影/石田 英士)

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