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戦略

SaaSのプライシング(価格設定)戦略とは?料金体系や手順について詳しく解説

著者名 TimeSkip

SaaS事業を行うにあたり、頭を悩ませる問題の1つがプライシング(価格設定)ではないでしょうか。

価格設定は収益に大きく影響を及ぼす重要な要素ですが、プライシングの方法についてはこれといった方法論が確立されていないのが現状です。この記事では料金体系の種類と実際に価格を設定していく手順についてわかりやすく解説していきます。

なぜSaaSでプライシングが重要なのか

プライシングはSaaSビジネスの中核をなすものであり、安定した収益を生み出すための基盤です。

SaaSの価格設定が上手くできているかどうかは会社の成長スピードに関わる重要なポイントとなります。

実際、512社のSaaS企業を調査した結果、〈顧客獲得の最適化〉をするのと〈価格設定の最適化〉をするのでは、企業の成長インパクトに4倍もの差が出ることがわかっています。

プライシングほどSaaS事業の収益に影響を与えるものはありません。

しかし、SaaSビジネスには多くのプライシングと戦略があり、これといった方法論が確立されていないため、どこから手をつければよいのかわからないと悩む事業者が多いのです。

そこでここでは、SaaSのプライシングをシンプルにするために、収益性の高いSaaSの価格戦略に欠かせない要素を分析、解説していきます。

プライシングを考える3つの視点

SaaS事業のプライシングで重要なことは、自社視点・競合視点・顧客視点の3つの観点で考えることです。

①顧客視点「Value-based方式」

顧客が自社製品に感じている価値に基づいて価格を決める方法。SaaSを中心に、サブスクリプション型のビジネスモデルとの親和性が高く近年注目されている。

②自社視点「Cost-plus方式」

原価などのコストに対して、適切なマージンを乗せて販売するアプローチ。従来の製品の値付け

③競合視点「Competitor-based方式」

ベンチマークする競合企業群の価格水準から適切な価格を検討する

SaaS事業としては、まず①顧客視点「Value-based方式」のアプローチを採用し、適正価格レンジを特定→ ②自社視点で適切な利益率を確保→ ③競合視点で最終調整する方法をおすすめします。

価格を選ぶ際には、どのくらいのユニットエコノミクスになるのかをモデルで仮説検証するとよいでしょう。

ユニットエコノミクスについては「【徹底解説】SaaS企業のLTVとCAC、ユニットエコノミクスの計算方法」をご確認ください。

これらの重要なツールを使って、どのように価格設定を最適化し、収益を向上させ、利益率を高めるかについて参考になります。価格設定の手順は後半で詳しく解説しています。

価格体系の種類

SaaSサービスの価格体系は、ユーザーがサービスを利用するかしないかの最初の判断材料になります。

価格体系は、あなたがブランド、サービス、顧客をどれだけ大切にしているかを潜在顧客に示すために重要です。

価格戦略にはさまざまありますが、ここでは「定額制」、「使用量ベース」、「階層ベース」、「フリーミアム」の4つを解説します。

定額制

特徴

定額制は、ユーザーが定額ですべての機能を利用できる価格体系です。特徴は、「期間ごとに定価を設定する」「ユーザーが価格を把握しやすい」「幅広いニーズに対応できるよう工夫する」などが挙げられます。業務ニーズを確認しやすいため、初期サービスには有効な料金システムです。

メリット

定額制のメリットは、販売が容易である、1つのプランに集中できる、マーケティングが容易である、収益の伸びや解約率、ライフタイムバリューの予測が容易になる、将来の収益が予測しやすい、などが挙げられます。

デメリット

定額制のデメリットは、すべてのユーザーを満足させることはできない、価格が高すぎると感じるユーザーと安すぎると感じるユーザーがそれぞれ異なる、などが挙げられます。

使用量ベース

特徴

使用量ベースは、使用量に応じて課金される価格体系です。ユーザーはアクションごと、ストレージごとなどで課金されます。使った分だけ支払うので、顧客にとってわかりやすいSaaSサービスを提供できます。

メリット

使用量ベースのメリットは、複数の異なるユーザーから利益を期待できることです。特に利用頻度の高いユーザーは、大きな利益をもたらします。価格は、顧客のニーズに合わせて調整できます。

デメリット

使用量ベースのデメリットは、ユーザーが使用を控える可能性があるなど、収益の予測が難しいことです。

使用量ベースには、主に「使用料課金」、「ユーザー課金」、「アクティブユーザー課金」の3つがあります。

使用料課金

特徴

使用料課金は、サービスの利用量やアクセス量に応じて料金が課金される料金体系です。使用料課金は、サービスを利用すればするほど単価が高くなり、サービスを利用しなければ単価が低くなります。そのためよくも悪くも顧客に依存するので、特に粘着性の高いサービスに有効です。利用量に応じた料金を設定したり、利用量に応じて自動的に単価を挙げることもできます。
例)Datadog

メリット

使用料課金は、使った分だけ課金されるので、ユーザーにとってわかりやすい価格設定です。特に利用頻度の低いユーザーにとっては無駄な料金を支払うことなくサービスを利用できるため、購入へのハードルが低くなります。

また、サービスを利用していない間は料金が発生しないため、サービスを解約するメリットがなく、ユーザーはサービスに登録し続ける可能性が高くなります。そのため、一度獲得したユーザーと長期的な関係を築くことが可能です。

デメリット

使用料課金のデメリットは、ユーザーがサービスの利用を控える可能性があることです。

ユーザー課金

特徴

ユーザー課金は、付与されたアカウント数に応じて課金するシステムです。利用状況に関係なく料金が発生します。

Salesforceでは、ユーザーごとに金額を明示し、ユーザー数に応じて設定金額が変わります。
例)セールスフォース・kintone・楽楽精算

メリット

ユーザー課金のメリットは、ユーザーが利用するアカウント数が増えるたびに自動的に単価が上がるため、追加販売やパッケージの変更なしに売上を伸ばすことが可能になることです。そのため、ユーザーとの摩擦が起こりにくい価格設定といえます。

価格体系がシンプルなため、ユーザーにわかりやすいのもメリットです。ユーザー課金では、ユーザーは月々の固定費を簡単に算出できます。そのため、ユーザー課金モデルを採用しているSaaSを販売する営業担当者は、顧客にいくらかかるのかを簡単に伝えることができます。

デメリット

ユーザー課金のデメリットは、価格に敏感なユーザーは、コスト削減のために購入ライセンス数を最小限に抑えようとすることです。

ユーザー数が少ない場合は、より手頃な価格体系で同様の製品を提供する他社に乗り換える可能性が高く、貴社のサービスを解約する可能性が高くなります。

アクティブユーザー課金

特徴

アクティブユーザー課金は、実際にソフトウェアを使用するアクティブユーザーに対してのみ料金が発生するシステムです。

なお、特に中小企業をターゲットにしたサービスでは、あまり有効な価格体系とはいえません。この価格体系は、従業員数が少ない中小企業向けのユーザー課金モデルとの差別化が難しくなります。
例)Slack 

Slackは、14日間サービスを利用していないユーザーや管理者によって削除されたユーザーはアクティブユーザーから除外されます。

メリット

アクティブユーザー課金のメリットは、客単価を上げやすい、価格体系がシンプルでユーザーにわかりやすい、ユーザー課金型と同じ長所を持ちながら、さらに ユーザー課金型よりもユーザーから好まれやすい、などが挙げられます。

デメリット

アクティブユーザー課金は、価格体系はシンプルではありますが、ユーザー課金型よりも価格がわかりにくくなります。ユーザー課金モデルは、ユーザーの人数で決まる価格設定ですから、簡単に計算できます。しかしアクティブユーザー課金は、どれくらい「アクティブ」なユーザーがいるのかを見極めなければ、総合的にいくらかかるのかを計算できません。

階層ベース

特徴

階層ベースの価格設定は、最も一般的な価格設定です。異なるバージョンの製品を作成し、価格に応じて使い分けるシステムです。

メリット

階層ベースのメリットは、複数のタイプのユーザーにアプローチできるため、市場拡大を容易にします。また購入者に合わせて対応できるので、収益の可能性が広がります。さらに、段階的に客単価を上げられるのがメリットです。

デメリット

複数の価格帯を用意することで複雑化し、ユーザーにとって選びにくくなることがあります。

なお階層ベースの価格設定は、主に「ユーザーモデル」、「ストレージモデル」、「機能別モデル」の3つがあります。

ユーザーモデル

特徴

ユーザー数に応じて複数の価格を設定します。ユーザー数が多いサービスに適した価格設定です。
例 Google Workspace

メリット

ユーザーモデルの価格設定は、最もシンプルで直接的な価格設定モデルの1つです。顧客になる予定の人が月々のコストを簡単に計算できるため、ユーザーにとっても理解しやすい価格設定です。使用する顧客アカウント数が増えるごとに単価が自動的に上昇するため、追加販売やパッケージの変更なしに売上を伸ばすことが可能です。また、ユーザー数で価格が決まるので、毎月の収益を簡単に計算・予測できます。

デメリット

ユーザー数に応じて複数単価を設定することで、新しいユーザーの追加が敬遠されることがあります。例えば10人から11人になった途端に料金が跳ね上がる価格設定なら、多くのユーザーは11人目を増やさずにそのまま使い続けることを選択するでしょう。また、複数のメンバーで1つのアカウントを共有するなど、不正行為の動機にもなります。

ストレージモデル

特徴

ストレージの利用可能台数に応じて、複数の単価を設定するタイプです。ユーザーがデジタル資料を保存するために何GBまたは何TBのストレージを必要とするかなどに基づいて製品価格を設定する価格戦略です。IT担当者は、社内の膨大なデータ管理に頭を悩ませています。これを解決するのがストレージモデルのSaaSサービスです。
例)DirectCloud-BOX

メリット

ストレージ容量に応じて課金されるため、ユーザーにとってわかりやすい料金システムです。SaaS事業者としても、収益が計算しやすい利点があります。

デメリット

ユーザーとしては、ストレージスペースを解放するためにアイテムを削除することで、低価格のプランを維持できます。また、ユーザーが一定量のストレージを使用するまで待つ必要があり、その間は収益が増えません。

機能別モデル

特徴

機能ベースモデル(Feature based model)は、顧客が利用できる機能に応じて、複数の料金プランを設定する一般的な価格モデルです。顧客のペルソナや必要な機能をよく理解している場合に設定しやすく、利用できる機能が多いほど価格も高くなります。
例:slack
※4段階のプランを用意し、顧客規模に応じた適切な機能を追加しています。

無料プランに過去の履歴を閲覧できる機能などを追加した「Pro」プランなど、利用できる機能によってプランが設定されています。またslackは、アクティブユーザー課金も兼ね備えています。

メリット

機能ごとの価格設定は、多くの異なる機能オプションを持つSaaS企業にとって収益を最大化しやすい価格モデルです。上位機能を使いたいユーザーのアップグレードの明確な動機付けとなります。

デメリット

適正な価格設定が困難です。ユーザーがどの機能を必要としているのか、明確な分析が必要です。バランスを誤ると、必要な機能が高価格帯にのみ配置されたり、サービスのメリットの大部分が最も安価なパッケージに配置されたりして、上位プランの利用意欲をそぐことになります。

フリーミアム

特徴

フリーミアムとは、無料プランと有料プランの2つを運用し、基本的な機能は無料で利用できる料金体系です。無料体験ではほぼすべての機能が利用できますが、フリーミアムは一部の機能に限定されることが多くなります。
例 Notion/マネーフォワードME/hubspot

メリット

フリーミアムのメリットは、ユーザーとして初期費用が抑えられる、サービスがわかりやすく共有しやすい、メリットが感じられれば有料プラン導入のハードルが下がる、実際に使ってもらえるので顧客価値を説明しやすい、などが挙げられます。

SaaSビジネスにとって、初期導入は最大の課題の1つです。フリーミアムモデルは、顧客のサービス利用までのハードルを大幅に低減します。

デメリット

フリーミアムは、収益を圧迫します。無料ユーザーは、SaaS事業者にとって何の収益も生み出しません。また、無料で使える範囲を間違えると、課金プランに切り替えられないリスクがあります。さらに、無料サービスは解約されやすくなります。SaaS製品の無料版は、普及を容易にする一方で、ユーザーが使い捨ての考え方を持ちやすく、その結果、解約が増加します。

プライシングの手順

プライシングとは、どのような価格帯にすれば顧客が競合他社ではなく自社からソフトウェアを利用する可能性が最も高くなるかを決定する方法です。

ところが多くの場合、SaaSの価格設定は、正式なチームもなく、異なる意見と立場を持つ多くの人々の間で議論され、その場しのぎで行われていることがあります。

社内で議論するにしても、「アクティブユーザー課金を採用すべきだ」という意見もあれば、「フリーミアムが最大の利益をもたらす」という意見もあるでしょう。

それぞれの立場や考えを元に議論すれば、根拠のない憶測、曖昧な妥協、競合他社の価格設定を模倣するなどによって、価格が決定されることになります。

では、SaaSの価格設定を正しく行うには、どのような要素を考慮すべきでしょうか。効果的な価格設定戦略を立てるには、次の5つの手順が重要です。

  1. チームを作る
  2. バリュープロポジションを考える
  3. 顧客の属性を整理しペルソナを決める
  4. 価格体系を決める
  5. 価格を設定する

それぞれについて、順番に説明していきましょう。

1.チームを作る

プライシングは経営者の仕事であるという前提の下、分業制のチームを作りましょう。チームは価格決定の意思決定者である「オーナー」、価格変更の実務を推進する「リーダー」、実際に手を動かす「プレイヤー」という3つのポジションから構成します。意思決定を明確にすることが重要です。

よくある間違いは、SaaS企業がプライシングチームを1つの部署内に置いてしまうことです。この場合、プライシングに対する視野が狭くなります。

例えば、今期の売上を最大化することに集中した営業チームは、顧客生涯価値(LTV)をほとんど無視し、短期的な売上増のために価格を決定してしまうかも知れません。

同様に、財務チームは、理論的には素晴らしい価格体系を設計するかも知れませんが、顧客が実際にどのように考え、行動しているかまで考えが及ばないでしょう。

したがって、SaaSの価格戦略を最適化するためには、クロスファンクショナルなチームを設立する必要があります。このチームは、プライシングの詳細をすべて検討し、社内の全機能を代表して、プライシングプロセスをエンドツーエンドで管理します。

2.バリュープロポジションを考える

プランの中身や提供価格を決める際に軸となるのは、サービスが顧客にとってどんな価値を提供できるかです。これがサービスの差別化要素、バリュープロポジションとなります。

バリュープロポジションを明確にすることで、SaaS事業者が製品やサービスを購入する顧客に提供する価値を伝えるとともに、社内の意思決定の役割も果たします。

バリュープロポジションを確認するためには、ポジショニングマップを作成して自社の差別化要素を明確化するとよいでしょう。

3.顧客の属性を整理し、ペルソナを決める

顧客属性の整理(セグメンテーション)をしましょう。

ビジネスモデルや業界/業種・企業規模・部署・利用目的(課題)・導入にあたって重視する要件などによって顧客の属性を整理していきます。

すでに顧客がいる場合は、実際の顧客の属性を分類した上でアンケートやインタビューによって顧客が感じている価値を明確にしていきましょう。

これらをふまえた上で、自社のサービスを必要としているターゲットセグメントを決定し、その顧客が抱える課題や自社のサービスに感じている価値など、詳細なペルソナを定義します。

4.価格体系を決める

設定したペルソナのニーズを満たせるよう、上記価格体系より、自社の商品・サービスに適したモデルを選択します。そして、少なくとも年に数回の小さな価格変更と、年に1~2回の大きな価格変更を実施しましょう。

プライシングへの取り組みは決して止めるべきではありません。チームは常設のものでなければなりません。

ほとんどの場合、SaaS事業者は業績不振からスタートすることになりますが、常に価格設定を改定することで、将来の業績に大きなプラス効果をもたらします。そのため価格設定は、常にチームによって監督される必要があります。

5.価格を設定する

顧客視点のバリューベースプライシングで具体的な適正価格を決める方法には、主に以下の3つのアプローチがあります。

  1. PSM分析
  2. EVC Analysis
  3. Split Testing Pricing

ただし、3つの方法はあくまでも例であって、他に顧客のベネフィットを価値換算できる方法があればそれを採用してもよいでしょう。

例えば、顧客に面倒がられたり、初期導入費が嵩みプロトタイプも試せないなどの理由でしっかりしたPSM分析が行えなかったとしても、「潜在顧客の決裁者にインタビューし、ざっくりとした価格許容度を探る」、「顧客の原価構造をざっくり教えてもらいSaaS導入による削減余地を簡易計算する」など、いくらでも方法は考えられます。

情報が集まらないのは世の常です。その時点で採用可能なベストな手段を執るようにします。

これを念頭に置いて、適正価格を決める3つの方法を解説します。

①PSM分析

PSM分析(価格感応度分析)とは、バリューベースの価格設定を実現するために、顧客の支払い意欲を調査するために使われる手法です。

PSMは、支払い意欲の調査結果を元に、4本の線と4つの交点で構成されたチャートです。一番左の交点(「安すぎる」と「高い」の線)と一番右の交点(「安い」と「高すぎる」の線)の間の範囲が、心理的に許容できる価格の範囲となります。

PSM分析では、アンケートを通じて、実際に顧客が製品・サービスに対して、どれほどの支払い意欲を持っているのかを確認できます。

②EVC Analysis

EVCとは、Economic Value to the Customerの略称で、競合商品にはない要素を持つ商品に対し、その要素の価値を勘案した上で、販売する商品の価格決めをするための指標です。

EVCは、顧客にとっての価値が最も近い代替品の価値を上回る場合、あるいは価値≧価格の場合にのみ、顧客は製品を購入するという洞察に基づいています。

顧客にとっての価値から価格を差し引いて価値が上回ればそのサービスは購入されます。それを基準に価格を設定する方法です。

③Split Testing Pricing

Split Testing Pricingは、顧客に提示する価格を変化させることによって、顧客の購入数と収益がどのように変化するのか検討する方法です。

価格のスプリットテストで、価格の変化率に対する需要の変化率を正確に測定できます。Split Testing Pricingは、利益を最大化する価格帯を決定するための重要な分析手法です。

プライシングでの注意点

プライシングでの注意点を挙げてみましょう。

まず、ユーザー目線でわかりやすく、複雑すぎない価格設定が重要です。SaaS事業者にとっても収益計算が容易で未来予測が立てやすければ、なおよいでしょう。

料金が安すぎるとマイナスになることもあります。「安くすればたくさん売れる」という訳ではありません。価格が安ければ「安すぎて品質が心配だ」、「このSaaS事業者は無謀な経営をしている」と考える顧客もいます。

価格の安さは、SaaS事業者の信頼性を損なう可能性があるのです。

また、価格を安くするとLTVが落ちるので、SaaS事業全般にかけられるマーケコストが下がり、結果として届けたい顧客に届けられず売れないという逆説になることもあります。

価格設定は、一度決めたら終わりではありません。企業のフェーズなどに応じて、適切なタイミングで価格の見直しが重要です。

顧客がプロダクトやサービスから得られる価値に比例して、課金する金額も上がる価格体系にしましょう。

まとめ

SaaS事業のプライシングは、戦略と同じで100%正しいものは存在しません。

そのため、正しい価格戦略を持たないSaaS事業者は、リーダーが仮の利益計画でコンセンサスをとりながら、直感で価格を決めているのが現実です。

戦略目標と連動させて仮説検証を繰り返すことで、SaaS企業は成長していきます。。価値と収益の適切なバランスを見つけることが、SaaS企業の命運を分けるのです。

さまざまな観点から検討し、最終的にその時点でのベストを選択しましょう。

SaaS事業における価格設定や各種コンサルティングのご相談はTimeSkip社へ

価格設定ほどSaaS事業の収益に影響を与えるものはありません。しかし多くの価格設定モデル、戦略、戦術が存在すると、どこから手をつければよいのかわからなくなります。

SaaSのプライシングに迷ったら、今すぐこちらからお問い合わせください。TimeSkip社では価格設定の最適化と、利益を継続的に改善・最大化する具体的な方法をご提案いたします。

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