客先に訪問することなく営業活動を行うインサイドセールスは営業プロセス全体の効率化ができます。
従来の訪問型のフィールドセールスで課題となっている属人化を防いで、経験が少ない人でも成果を上げられる仕組みとして導入する企業も増加傾向です。
この記事では、弊社のこれまでの経験を踏まえ、より効率的にインサイドセールスを活用する方法についてお伝えしています。
インサイドセールスを業績の向上にお役立てください。
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インサイドセールスが注目される背景と期待効果
インサイドセールスが注目されるようになった背景としては、下記の3点が挙げられます。
- ビジネスモデルの変化
- 環境の変化
- 人手不足への対応
それぞれ具体的な背景を解説していきます。
ビジネスモデルの変化
近年、SaaSをはじめとしたサブスクリプションモデルが普及し、規模も拡大しています。
サービスの内容によってはオンライン上で手続きが完結できるため、営業が客先へ出向く必要がある、フィールドセールスのようなプロセスとは適合しません。
インサイドセールスであれば、電話で多くの顧客対応ができるので、導入・解約手続きに無駄な工数が発生せず効率的な営業を行えます。
環境の変化
ネット環境の普及や新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、社会環境や人々の購買活動に変化がみられました。
接触を減らすためにテレワークの導入が進み、訪問せずに営業を行うインサイドセールス化が推進されました。
顧客の情報収集の手段はWebサイト中心となり、他社製品との比較もWebサイト内で完結できることが多くなってきております。
そのため従来の顧客を訪問して売り込むスタイルでは、顧客の購買活動に合わせたスピード感を持った対応や多くの顧客への対応が、難しくなっています。
インサイドセールスは、非対面で顧客の接点作りを行えるため、感染症のリスク回避につながります。
また、訪問しないことで、顧客の要望に合わせた迅速な対応と営業プロセスの効率化ができるため、これらの環境変化にマッチしています。
人手不足への対応
インサイドセールスは移動時間がかからず、電話・メール対応も可能であるため業務効率が格段に向上し、対応できる顧客の数が増えます。
さらに、インサイドセールスが初期対応をすることでフィールドセールスは複雑な説明が必要な商談や確度の高い商談に集中でき、成果を出しやすくなります。
また、インサイドセールスは在宅ワークも可能なため、多様な働き方に対応し、人材確保のハードルが下がります。
このように、インサイドセールスは効率的な人材活用に適しています。
インサイドセールスの主な役割
近年では営業プロセスを「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス(外勤営業)」「カスタマーサクセス」に分ける「The Model型」が注目され、より効率的な営業手法として多数の企業で採用されています。
このような分業型の営業プロセスにおけるインサイドセールスの主な役割は次の2点です。
- マーケティングで獲得したリードに対して、主に電話・電子メールなどの非対面方式でアプローチし、成約確率の高いリードを次のプロセスであるフィールドセールスに渡す。
- 成約確度の低いリードについては、関心度が十分に高まるまで、長い時間をかけて丁寧にアプローチをする。
インサイドセールスはSDR(反響型営業)とBDR(新規開拓型営業)の2パターンに分類され、プロセスはまったく別ものです。
インサイドセールスのKPIは、見込み客に対し、何件商談化できたか、という指標になります。
- 母数:見込客数
- 成功率:商談化率
- ゴール:商談数
商談化率については、「インサイドセールスの商談化率の平均は?低下の要因や改善策について」も解説も合わせてご覧ください。
インサイドセールスとテレアポとの違い
インサイドセールスは、顧客とコミュニケーションの手段に電話を利用する点から、テレアポと業務内容を誤解されるようなこともありますが、じつはそれぞれの役割は異なります。インサイドセールスとテレアポの違いを、特徴・目的・時間軸に分けて、下記のリストにまとめました。
この違いを組織が認識していないと、うまくいかないので事業部全体での認識合わせが重要です。
インサイドセールスの「効率化のポイント」
インサイドセールスの業務内容は主に以下の4つです。
- 問合せ情報の精査、ヒアリング
- リードナーチャリング
- 見込み客の引き渡し
- リードの獲得(新規開拓)
業務ごとに効率化を図るポイントと、業務の全体像を解説していきます。
①問合せの精査・ヒアリング
インサイドセールスは「SDR(反響型営業)」と「BDR(新規開拓型営業)」に分けられます。
SDR(反響型営業)は「Sales Development Representative」の略語で、顧客からの問い合わせに対応する組織を指します。
問合せの対応から、ヒアリングによる受注の可能性を見極める情報収集が求められる為、顧客へアプローチを行う際に適切な情報提供も必要です。
業務の質を向上させるための目的とアクションを以下のリストへまとめました。
目的 | アクション |
---|---|
ヒアリングの効率化 | ・顧客から聞き出す内容を事前に整理 |
社内への共有 | ・BANTでヒアリングし社内へ共有する 予算(Budget) 決裁フロー(Authority) ニーズ(Needs) 導入予定時期(Timeframe)・ SFA(営業支援システム) など商談管理ツールに記入 |
商談パフォーマンスの最大化 | ・顧客の問合せ内容、web上の行動から現状を予測・トークスクリプト活用・解決できる課題、他社との違いを把握 |
ファーストアプローチでは、顧客の状況を予測した事前準備が重要になります。
フィールドセールスはこの情報を元に商談を進めることになり、社内で意思の疎通がとれていないと失注にもつながるため、内容が伝わるようしっかりと記入することも重要です。
どのような情報が必要かはフィールドセールスと打合せをして整合しておくと、商談パフォーマンスの効果が期待できるでしょう。
Google Analytics等のアクセス解析ツールや、HubSpotなどのMAツールは無料プランでも十分顧客の状況把握に活用できます。
まだ活用していない方はぜひ自社サイトとの連携をおこなってみてください。
②リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、見込み客の興味関心の度合いに応じて、こちらから情報を提供し、見込み客の購買意欲を高めることです。
顧客の状況に合わせた情報提供が必要になります。
顧客の状況、ニーズは直接ヒアリングすることの他、MAツールの活用で効率的に情報収集が可能です。
MAツールの利用によって顧客の行動をオンライン上で把握できます。
メールの詳細をクリックした、ホワイトペーパーをダウンロードした、ウェブサイトへ再訪したなどという顧客の行動から、必要とする情報やタイミングを読み取りましょう。
③見込み客の引き渡し
確度の高まった顧客をフィールドセールスへ引き渡す際は、その条件を明確にしておくことが重要です。
そのためにはBANTを揃えていることが条件となります。
SFAを活用する他、フィールドセールスと直接コミュニケーションをとり、テキストだけでは伝えるのが難しい情報なども共有しておくことも大切です。
引き渡し条件は一度決めたら完成というものではなく、事業フェーズによって定期的な見直しを行う必要があります。
会社(または事業部)として適切な頻度を見極め、業務フローに組み込んでおくと良いでしょう。
④リードの獲得(新規開拓)
BDR(新規開拓型営業)とは「Business Development Representative」の略語で、自らリードを獲得します。
ターゲット選定から行う場合には、自社のサービスと親和性の高い顧客リストを作成することがポイントです。
顧客の課題や基本属性などを元にセグメントを分けて、どのような企業をターゲットとするか優先順位をつけておくとよいでしょう。
リードを獲得する際のトーク内容(トークスクリプト)も顧客ごとではなく、セグメントに対して準備し、アプローチ数を高めていく方が効率的です。
SDRもBDRもアプローチの際は、できるだけキーマン(意思決定層)につながることを意識することも重要ですが、多くのリードをつくる・フォローする、という数の意識も必要となります。
業務全体のツールとまとめ
インサイドセールスで効率よく成果を挙げている企業はどのようなツールを活用したり、取り組みをしているのか、業務全体を通したポイントを以下にまとめました。ぜひ参考にしてください。
最近では、音声解析などを活用したインサイドセールスの改善なども行われています。自社の目標にあった取り組みを行い改善を続ける体制の構築が重要です。
まとめ
本記事ではインサイドセールスの特徴と効率化させるために必要なポイントを解説しました。
さらに、インサイドセールスの効率化という視点だけでなく、社内の営業部門全体として業務を考える視点が重要になります。
そのためにはマーケティングやフィールドセールスチームとの情報共有や他チームと関連するKPIの設定、全体を統括する責任者の配置なども有効でしょう。
インサイドセールスの改善については「【保存版】インサイドセールスがうまくいかない?8つの理由と対策を徹底解説」も合わせてご覧ください。
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インサイドセールスに活用できるツールについては以下の記事がまとまっています。